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ピロリ菌について

ピロリ菌の歴史

マーシャル博士 胃の中のばい菌についての報告は、実は1906年に最初の報告がありますが、その当時の科学力では、培養できず誰にも注目されませんでした。
その後1983年にWarrenとMarshallにより再び胃の中のばい菌が報告され、細菌として培養されたのがピロリ菌の最初の報告です。
その後、胃炎との関連、胃潰瘍、胃がんとの関連性が次々と指摘され、2005年ノーベル医学賞を取りました。

写真左はノーベル医学賞受賞者のマーシャル博士が初来日(1994年)したとき、大阪で当時、ピロリ菌の研究をしていた院長とのツーショットのお宝写真です。

ピロリ菌の治療の適応-2009.1.改定-

院内_ふきぬけ ヘリコバクター学会での、除菌(治療)適応は、2009.1.にすべてのヘリコバクター感染症に拡大されました。

除菌する一番のメリットは消化性潰瘍で、長年繰り返し潰瘍を再発していた患者様が、うそのように治ってしまい、再発しなくなります。消化性潰瘍の患者様は、主治医の先生に必ずピロリ菌の有無を調べてもらいましょう。
また胃潰瘍ガイドラインでも、ピロリ菌が存在すれば、除菌治療するようになっております。

次に胃MALTomaという悪性リンパ腫の一種の病気も、粘膜表層で限局しているものは、昔のように手術で胃を切り取らなくても、ピロリ菌の除菌治療で大部分が治ります。
ただし、診断・適応は消化性潰瘍ほど簡単ではないので、消化器専門のクリニックで相談しましょう。

現在では、適応が拡大されたこともあり慢性胃炎にも除菌が可能となりました。
基本的には内視鏡検査を施行し、胃炎が認められれば保険で治療できるようになりました。

ピロリ菌の治療方法

除菌困難例 日本においては、保険適応ということで、プロトンポンプインヒビターという胃酸を抑えるお薬にアモキシシリンとクラリスロマイシンというお薬を組み合わせて治療をおこないます。

開発当初は90%近い治療効果がありましたが、現在耐性菌が増加したため、治療効果は70-80%となり、問題となっております。
専門でないクリニックでの治療は避けていただき、専門のクリニックで、適切な除菌治療をうけましょう。
一度除菌治療に失敗した患者様は、特に耐性を多剤にしないうちに適切な二次除菌をしてくれるクリニックに受診するようにしましょう。
一般的には、感受性試験といって、どの薬剤が効くかどうかを確かめた上で、アモキシシリンとメトロニダゾールによる治療が二次治療としておこなわれます。

やっとH19年8月24日付けで保険適応となりましたので、保険診療で二次除菌ができるようになりました。
さらに二次除菌でも失敗した場合は、保険適応外の治療になりますが三次、四次除菌も当院では行っています。
その場合は、薬剤感受性を含めた詳細な検査が必要になってきますので、予約時にお申し付けください。
左に当院での除菌困難例の対応を紹介させていただきます。

慢性胃炎の除菌治療はどうするか?-2009.1.改定-

以前の治療ガイドラインでは、慢性胃炎は積極的に除菌を勧められないとされてましたが、2009年1月の改定により、治療の適応がヘリコバクター感染症に拡げられました。
喜ばしいことではありますが、問題点もまだまだあります。

また除菌しても、まったく最初から感染していない人( never infected)と同様には、胃癌の危険率が除菌しても下がらなく(ever infected)、除菌しても基本的には毎年、検診をした方がよいとされています。
今回慢性胃炎にも除菌が拡大されましたが、基本的には個々の患者様において、メリット、デメリットを検討してメリットがデメリットを上回る様なら除菌治療をすべきです。

一般的には、潰瘍がない場合、その再発を抑えるという一番のメリットはありません。
ご存知のとおり、ピロリ菌は胃がんの発ガン物質であり、慢性胃炎の患者様における一番のメリットは胃癌を抑えられるかどうかということです。
ピロリ菌が感染してから、長い年月がたっている場合は、胃の粘膜が萎縮性変化をきたし、非可逆的な腸上皮化生をきたします。
腸上皮化生をきたすと除菌治療によっても胃癌の危険性が抑えられないことがすでに報告されています。

したがって、個々の患者様の萎縮の程度によりますが、一般的には30-35歳未満で萎縮が弱い患者様は除菌治療によって胃癌のリスクが抑えられる可能性がございますので、除菌治療も考慮すべきです。
しかしそれ以上高齢になると、萎縮が一般的には強くなり、除菌治療をしても胃癌のリスクが抑えられなくなると考えられます。
その場合デメリットである、除菌治療後の逆流性食道炎の問題もあり、デメリットの方が勝ってしまい、除菌は積極的にすべきではないと考えます。
ただし、慢性胃炎でも、特殊な鳥肌胃炎の場合は高率に胃癌が発生しやすく、また逆に萎縮性変化は少ないため除菌すべきであると考えます。

このように慢性胃炎では個々の患者様の年齢や胃粘膜の萎縮の程度、特殊な鳥肌胃炎の存在など、さまざまな要因があり、専門のクリニックを受診することをお勧めします。

鳥肌胃炎

鳥肌胃炎 鳥肌胃炎はその名前のとおり、胃の出口があたかも鳥肌のように、小隆起が散在して見える胃炎です(左図参照)。

若い女性に多く、胃癌の合併率が高く、注意しなければなりません。
当院で開院以来3年間で鳥肌胃炎は39例認め、そのうち35例が女性で、平均年齢は38歳でした。
しかも39例中3例に胃癌の合併を認め、従来の報告どおり胃癌のハイリスク群と考えられます。
また全例にピロリ菌を認め、ピロリ菌感染の特殊な胃炎発症例と考えられます。
ピロリ菌感染による通常の慢性胃炎(萎縮性胃炎)に比べて、胃癌の発生率が約10-20倍高いとの報告もあり、原因であるピロリ菌の除菌療法の適応と考えます。

他院で鳥肌胃炎と診断され放置されている方でセコンドオピニオンのご希望があればご相談ください。

鳥肌胃炎に伴う微少胃癌

鳥肌胃炎に伴う微少胃癌 鳥肌胃炎に伴った微少胃癌(4-5mm)の症例です。

写真の←部分が胃癌の部分で、画像処理(NBI:上段)をすると、よくわかります。
やはり、若い女性の方でこのくらい初期の段階で発見されると開腹手術を行わずに、小さな穴を開けるだけで切除できます。
ちなみに、この方は3-6か月前に他院で胃カメラをされていましたが、特に何も言われませんでしたが胃部不快感が持続するため、当院で再検査を希望され、来院されました。

鳥肌胃炎はやはりピロリ菌に詳しい専門施設で診て貰い、この症例のように鳥肌胃炎があれば、ゆっくり時間をかけて画像処理を駆使し、観察することが必要です。
この胃カメラは経鼻内視鏡(口径4.9mm)で行っていますが、微少胃癌の拾い上げも可能です。

鳥肌胃炎に伴う早期胃癌

鳥肌胃炎に伴う早期胃癌 鳥肌胃炎に伴った早期胃癌(20mm)の症例です。
上の微少胃癌よりやや大きくなった早期胃癌の方です。

やはり、若い女性の方で、まだこのくらいの早期段階で発見されると開腹手術を行わずに、小さな穴を開けるだけで、切除できます。
ちなみに、この方は1か月前に他院で胃カメラをされていましたが、開腹手術が必要といわれ、セカンドオピニオンを目的として当院で再検査を希望され、来院されました。

結果は早期胃癌で開腹手術することなく、小さな穴を開けるだけで切除できました(王選手がおこなったのと同じ手術です)。

鳥肌胃炎に関するまとめ

2011年5月アメリカシカゴにおいて開催されたAGAにおける発表ポスター

2011年5月アメリカ、シカゴにおいて開催されたAGAにおける発表ポスターです。

鳥肌胃炎に関する発表を共同演者として発表しております。
内容は専門的なものとなっておりますので、割愛させていただきます。
興味のある方は、ご参照してください。